限定承認とは、相続人が相続で取得した財産の範囲内でのみ被相続人の債務と遺贈を弁済することを条件に、相続を承認する制度をいいます。
相続人が複数人のときは、各相続人は、その相続分により取得する財産の限度から、その相続分による被相続人の債務と遺贈を弁済することを条件に相続を承認することができます(民法第1029条)。
相続は被相続人の積極財産だけでなく債務など消極財産も一緒に承継するのが原則です。ただし、相続財産と債務の規模が明確でない場合や、債務の有無を容易に確認することが困難な場合には、限定承認により相続財産の限度でのみ債務を負担することができます。
相続人が限定承認をするときは、相続開始があることを知った日から3ヶ月以内に相続財産のリストを添付し、相続開始地の家庭裁判所に限定承認の申告をしなければなりません(民法第1019条第1項、民法第1030条第1項及び家事訴訟法第44条第1項
限定承認は相続放棄とは異なり、相続財産リストを作成して裁判所に提出しなければならないため、被相続人の財産と債務を正確に把握することが先行しなければなりません。このために、安心相続ワンストップサービスや相続人金融取引照会サービスを活用して被相続人の財産及び債務を確認することが一般的です。
特別正正承認をする場合には、すでに処分した財産があるときは、そのリストと価額を一緒に提出しなければなりません(民法第1030条第2項)。
相続人は、継承開始があることを知った日から3ヶ月以内に限定承認をすることができます。ただし、利害関係人又は検査の請求により家庭裁判所がその期間を延長することができます(民法第1019条第1項)。
例外的に、相続人が相続債務が相続財産を超える事実を重大な過失なしに相続が開始されたことを知った日から3ヶ月以内に知らずに単純承認をした場合には、その事実を知らない日から3ヶ月以内に限定承認をすることができます。これを特別な正承認といいます。
この時、「重大な過失」とは、相続人が少しだけ注意を払ったならば、相続債務が相続財産を超過するという事実が分かったにもかかわらず、これを怠ったことでそのような事実を知らなかったことをいいます(最高裁判所2010.6.10.宣告、2010年7904版)。
限定承認が修理されると、相続人は相続人の地位を維持しながらも、相続で取得した財産の範囲内でのみ被相続人の債務と遺贈に対する責任を負担します。
したがって、相続財産を超える債務については、相続人の固有財産に弁済する義務はありません。
ただし、限定承認をした後は、民法で定めた手続きにより相続財産を清算し、債権者に対する公告及び弁済手続など一定の義務を履行しなければなりません。
限定承認者は、限定承認をした日から5日以内に一般相続債権者と遺贈を受けた者に対して、限定承認の事実と一定の期間内にその債権又は受証を申告することを公告しなければならず、その期間は2ヶ月以上でなければなりません(民法第1032条第1項)。
債権申告の公告には、債権者が期間内に申告しなければ清算から除外されるという内容を記載しなければならず、公告とは別に限定承認者が知っている債権者に対してはそれぞれその債権申告を最高でなければなりません。
債権の申告・公告期間が満了したら、限定承認者は相続財産で、その期間内に申告した債権者と限定承認者が知っている債権者に対して、各債権額の割合で弁済しなければなりません。しかし、優先権ある債権者の権利を害することはできません。